27歳からの立体視獲得への挑戦

生まれた時から「斜視」「ほぼ弱視」だった私が、27歳から立体視獲得に向けて試行錯誤を始めました

日本に帰国しました。アメリカ集中トレーニングでの結果。

6月30日、日本に帰国しました。 

アメリカでの成果

今回の渡航では約9週間、178セッション(30分=1セッション換算)を行いました。

日常生活の中でも3Dに見えることが一つの目標でしたが、今回はそこまで到達することは出来ませんでした。

とはいえ、渡航前と比較しての成果はいくつかあります。

 

1.抑制が減り、複視(=物が二つ見える状態)が増えた。

渡航前は、何か対象物を見ると右目からの情報が優先し、左目からの情報は脳が勝手に認識しないようにし、物が二つ見えないようにしていました。

トレーニングを通して赤緑メガネやその他の抑制除去トレーニングを行うことで、日常生活の中で複視を生じる場面が増えました。

物が二つ見える状態にはストレスも感じますが、まずは両目からの信号を脳が等しく認識することが重要なので、両眼立体視に向けた正常なステップとのことです。

 

2.融像が出来るようになった。融像恐怖が減った。

「1.抑制が減った」ことの次のステップとして、その両目で見た映像を、脳内で一つの像に重ね合わせることが部分的に出来るようになりました。

アメリカでのトレーニングが始まって直ぐの頃は、両目で見た絵を重ね合わせようとすると同じ極同士を近づけた磁石のように反発しあって、決して重なることはありませんでした(融像恐怖)。

今でも完璧にどんな対象物でも融像出来るわけではありませんが、、対象物があまり入り組んでいないシンプルな絵で、周辺視野を使うようなもの(例えば輪っかの絵とか)であれば一つに重ね合わせて見ることが出来るようになりました。

少し複雑な絵でも、同時に重ね合わせて見えている感覚はあったのですが、オプトメトリスト曰く、実際にはそうでなく、超高速に左右の映像を切り替えてそう錯覚させているそうです。重ね合わせて見ている(つもり)の時の私の目の動きを録画して見せてもらったのですが、小刻みに左右に動いていました。

 

3.周辺視野での立体視が出来るようになった。

一番の目的である立体視ですが、こちらも融像同様、周辺視野を利用するものに限られていまが、出来るようになってきました。

特にVivid Visionでの立体視を使うゲームでは周辺視野をより使うようで、前後の奥行きがよく掴めます。

 

今後の課題

上でも少し書きましたが、周辺視野部での融像、立体視はアメリカ前と比べて大きく改善されたと感じています。

一方、中心視野での融像、立体視はほとんど出来ていないのが現状です。

今後は、引き続き抑制除去、融像のトレーニングに加えて、中心視野にも特化したようなトレーニングをホームトレーニングとして行ないます。

 

またアメリカに行くのか

現在、次いつアメリカに行くのかということは決めていません。

日本での生活や費用の問題もありますし。

まずはアメリカのオプトメトリストから教えて頂いたホームトレーニングに取り組み、メールでのやりとり。

また、日本でもオプトメトリストの資格をアメリカで取得された方が居ますので、その方のサポートを受けながら日本で出来ることを探る予定です。

 

日常生活での立体視に到ることが出来なかったのは悔しいですが、今回のトレーニングはこれまで27年間掛けて構築して来た脳の回路を2ヶ月で繋ぎ替えようとするようなもの、そう簡単には行かないですよね。

とはいえ今回のトレーニングは確実に「やってよかった」と言えます。

トレーニングの序盤を思い出すと、右目と左目で同時に見ることができない、見ようとすると使う目を左右でパタパタ切り替え始めたり、両目で見たとしてもはっきり認識できなかったり、脳が映像を重ね合わせまいと反発しあってあちこちにジャンプさせたり、という状況でした。

今では当たり前に出来るようになったものの、最初は出来なかったことが沢山ありました。

 

長くなりましたので、今後取り組むホームトレーニングについては次回以降の記事にしたいと思います。